KIJIMA TAKASHI, NEW YORK, 1960【写真付き特別版】

¥44,000

「KIJIMA TAKASHI, NEW YORK, 1960」
写真:杵島 隆, 写真編集・構成:森岡督行・キッチンミノル , テキスト編集:キッチンミノル / 出版社:テキサスブックセラーズ / A4変型判(305mm×240mm) / 48P / ハードカバー / 2026年 6月発行

◎ 写真付き特別版(印刷方式:ジークレープリント size w:260 x h:180)

1.「The Children of NEW YORK」
「カメラを向けると人は構えるものだが、杵島の前のニューヨークの子どもは無邪気だ。そこにどんなコミュニケーションがあったのだろう。レンズに映る影は杵島の姿か。杵島も笑っているにちがいない。」
──森岡督行

2.「TELEVISION」
「杵島はロックフェラーセンターにあるNBCのスタジオの前にいた。ある一家がテレビに出演しているように見えるが、こんなふうに映るというアトラクション。その動画が目の前のテレビで流れ、それを眺めるのもまた子ども。当時の最新テクノロジーだっただろう。」
──森岡督行

3.「Chasing Pigeons」
「ハトを追いかける少女と、それを見守る母親。愛らしい視線。ふたりとも当時の流行を取り入れたような服をきている。杵島はその様子にカメラを向けているが、親子はまったく気にしてない。」
──森岡督行

4.「BASEBALL, NEW YORK」
「夕闇時に母子で野球の練習をしているのだろうか。 幼くして母を無くした杵島は、自分の母のことを思い出しながらシャターを切ったのではないだろうか。ふたりの楽しい会話がいまにも聞こえてきそうである。思いっきり遊んだあとにはどんな夕食を食べるのか、そんなことまで想像してしまう幸せな一枚。」
──キッチンミノル

〈特別付録〉
杵島隆のエッセイ「白い壺」をブラックペーパーにシルバーインクで
活版印刷した一枚をおつけします。

写真集について
「植田正治に学び、土門拳に見出された写真家・杵島隆。
1960年ニューヨークで撮影された幻のシリーズ、66年の時を経てついに写真集化」

1960年、ひとりの日本人写真家がニューヨークの街に立った。
日本写真史を代表する二人の巨匠との接点を持ちながら、そのどちらにも収まりきらない独自の道を歩んだ杵島。
広告写真の革新者として知られる39歳の彼は、タイム・ライフ社による「1959年度最優秀企業広告賞」の受賞をきっかけに渡米。
約2か月の滞在のなかで、イースターパレード、ハーレム、摩天楼の谷間、路上に生きる人びと、
そして青年や子どもたちの姿を撮影した。
アメリカに生まれ、日本で育ち、特攻隊員として敗戦を経験した杵島にとって、ニューヨークは単なる異国ではなかった。
そこは、自身の出自、戦後日本、広告写真、リアリズム、そして未来へのまなざしが交差する特別な場所だったのだ。
この写真集でとりわけ印象的なのは、子どもたちに向けられた視線である。
無邪気さの奥に、社会の変化がにじむ。
小さな表情の向こうに、1960年という時代の輪郭が浮かび上がる。
黒人と白人、女性と男性、若者と大人。
自由と平等へ向かおうとする都市の気配が、子どもたちの表情や身ぶりのなかに刻まれている。
「いまこうして『1960年のニューヨーク』が一冊の本になってみると、
時を経て、杵島が同地から送ったお土産の小包を受け取ったような気がする。
ニューヨークで感じた胸の高まりが記された手紙とともに。」
──森岡督行「編集を終えて」より

*杵島隆 (キジマタカシ) (著)
杵島隆は、戦後日本において広告写真と作家写真の領域を横断し、独自の視覚世界を切り拓いた写真家である。
1920年12月24日、アメリカ合衆国カリフォルニア州に生まれる。1924年、「排日移民法」の施行を機に日本に帰国し、鳥取県で育つ。
1943年、母の実家である杵島家に籍を入れ、第13期海軍飛行予備学生に志願。特攻隊員として終戦を迎える。
戦後、写真家・植田正治に師事し、「写真家集団エタン派」に参加。雑誌の月例懸賞への応募作品を通じて土門拳に見出され、写真家としての活動を本格的に開始する。
1953年、上京。株式会社ライト・パブリシティに入社し、雑誌広告やポスター、テレビCMなど多様な媒体において写真表現の可能性を追究する。日本の広告表現が大きく変化しつつあった時代において先駆的役割を担い、広告作品により国内外で数多くの賞を受賞した。
1960年、タイム・ライフ社による「1959年度最優秀企業広告賞」を受賞(『LIFE』1959年10月26日号掲載、八幡製鉄による企業広告)。これを契機に約2か月にわたり渡米し、ニューヨークを拠点に撮影を行う。
この滞在中に撮影された作品は、1961年に「New York Heartbeat」の名で富士フォトサロン(銀座)において発表された。ニューヨークの都市のリズムを捉えたこれらの作品は、杵島の作家活動を代表するシリーズの一つとなった。
その後も広告制作に携わる一方、日本の伝統芸能や蘭、ヌードを主題とする写真制作にも精力的に取り組み、広告写真と作家写真の双方において独自の視覚世界を築いた。

*初版限定。カバーをめくった表紙、写真台紙、ケースの文字は、一冊ずつ存在感のあるシルクスクリーンで手仕上げしています。

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