『五感巡礼』大竹昭子短文集
¥990
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著者:大竹昭子 , 編集協力:大林えり子(ポポタム), 装幀:横山 雄(BOOTLEG),
表紙・挿画:工藤夏海 / 発行所:カタリココ文庫 / 文庫判 / 95P / ソフトカバー(ペーパーバック) / 2021年 1月発行
ひとつのエピソードが思わぬ方向に発展して五感を巡礼していく、五つの随想が収められた短編集。自分は「犬派」だと思っていたが、本質は「猫」かもしれないと気づいた「放浪の効用」、一度聴力を失った女性が体内の音に耳を澄ませて鼓膜を再生させたエピソードが心に残る「聞こえてくるあの音は?」、シマの概念をできる限り拡大して考えを巡らす「シマの境界」、植物の種のように拡散することばの生命力を讃えた「ことばの飛び地」、写真との出会いが自意識の殻を脱ぎ捨てる作用を及ぼした「『わたし』のなかのたくさんの『他人』」。それぞれのエピソードは独立した話でありながら、思索が繋がってもいくように編集されています。
ジャンルが細分化し、思考のタコツボ化が進んでいる今、現実世界を旅するように、アタマのなかを巡っていく『五感巡礼』が、凝り固まりがちなアタマに新鮮な刺激となることを願う著者の想いを存分に楽しめる一冊。