宇宙人の部屋|小指
¥1,650
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著者:小指 / 発行:ROADSIDERS / A6文庫判(148mm×105mmm)/ 320P / ソフトカバー / 2023年11月発行
ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける編集者・ジャーナリストの都築響一。彼が携わる『ROADSIDERS' weekly』から生まれた「POCKET ROADSIDERS」は、純粋に文章や絵に浸ってもらうという観点から、電子フォーマットではなくモノクロの文庫本としてリリースするシリーズ。ぜひ、ポケットに入れて持ち運んで楽しんでください。
わたしが恋したひと、一緒に起きて寝て人生を共にしてきた男はふたりの宇宙人だった。空の上にある無限の暗闇ではなくて、酒瓶の底にある淀んだ宇宙の住人だった。素面だと道端の老犬のように静かに優しいのに、一滴のアルコールで彼らは制御不能な獣に変身した。そして20代のほとんどを獣の世話に明け暮れたわたしも、酒に依存する人間に依存しながら、状況を好転させるどころか彼らの人生をよけい悪化させているだけなことに、ある日気づいてしまった。
アーティスト“小指”がいま初めて綴る、傷だらけの日々の記録。生きることに不器用な、3つの魂がひとかたまりになって坂を転げ落ちていく先に底はあるだろうか。明るい陽の差す出口は見えるだろうか。
──都築響一