ONSEN MMXXIV |山谷佑介
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著者:山谷佑介 , デザイン:山田悠太朗 / 発行:flotsam books / A5変型判(220mm×148mm×10mm) / 320P(テキスト:102P)カラー・モノクロ / ソフトカバー(ブックジャケットなし)/ 2024年 11月初版発行
写真家の山谷佑介が、個人的な趣味として約15年前から始めた野湯探しをテーマとしたシリーズ「ONSEN」。
観光地の整備された娯楽を目的に入湯する温泉とは違い、自然の中に自噴する野湯(のゆ、やとう)は火山ガスや温泉成分の影響で草木が生えず、岩場が顕にされた荒涼とした景色が広がります。
まるであの世とこの世が交差するような剥き出しの風景──。
彼が撮る風景の中に登場する人間の肌は柔らかくてあまりにも脆く、ありのままの厳しい自然との対比が時代を越えて、ぼくたちのDNAに刻まれたヒトの記憶を呼び覚ましてくれるかのようです。
山谷の野湯探しの同行者は友人や家族の他、時には自身のSNSやZINEで希望者を募る。奈良時代の暮らしを窺い知ることができる『日本書紀』や『万葉集』において、温泉は男女が一緒に飲食し、歌を交わして親睦を深める場として記述されているという。216点の写真と13万文字にも及ぶ同行者との会話テキストで編まれた本書を読み進めると、面識のない人たち同士のコミュニケーションは、最高にスリリングであると同時に、至極真っ当な在り方だと思えてくる。これぞプリミティブ・クール──。