これからの友情|丸田洋渡(著者サイン本)
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著者:丸田洋渡 , 装丁:名久井直子 , 装画:福田利之 / 出版社:ナナロク社 / B6変型判 (183mm×123mm×32mm) / 512P / 布張りハードカバー / 2025年9月発行
葉桜へ光の賽が投げ込まれわたしは運でベンチに座った
貸看板に貸看板と書いてある 助手席のあなたは夢の中
藤が人語を初めて話すときそれは垂れるように不完全だった
薔薇と蜂/製氷室に蜂がいる/薔薇の溢れる製氷室に
あなたはあなた一人でもっているデパート 回転ドア回転ドア
幽霊が見える素質がきらめいて見える角砂糖の包装紙
拷問のテクニックは僕も知らない パスタをフォークの銀に巻きつける
読めば読むほどスピードアップする雪の密室とその密室論議
ふと 自分の気配がして振り返る 玄関が岬になっている
昼のバレエ教室と思ってくれたらいいから これからの友情は
──(収録歌より)
26歳、新鋭が放つ全500首、512頁のデビュー作となる第一歌集。
本書は2017年から詠まれた数千首の短歌から500首を精選し、1ページに1首を配した編集で、それぞれの短歌をじっくりと味わうとともに、全体でもひとつの作品となるよう再構成したもの。本体を布貼り丸背の上製本で綴じ、箔押しで美しく仕立てた存在感のある一冊です。
*丸田洋渡(まるた・よっと)
1998年生まれ。愛媛県出身。高校から俳句を、大学から短歌を創作。
短歌ユニット「第三滑走路」参加、短詩系ウェブサイト「帚」運営。