愛についてのデッサン 野呂邦暢作品集
¥990
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著者: 野呂邦暢 , 編集:岡崎武志 / 出版社:筑摩書房(ちくま文庫) / 文庫判 / 416P / ソフトカバー / 2021年 7月発行
夭折の芥川賞作家作による古書店を舞台に人間模様を描く「古本青春小説」。古書店の経営や流通など編者ならではの視点による解題を加えた待望の初文庫化。本書は、2006年のみすず書房版を底本とし、「鳥たちの河口」、「一滴の夏」(ともに集英社文庫)、から5つの短編を選出してまとめたもの。
野呂邦暢といえば、2015年に盛林堂から限定500部で刊行された「野呂邦暢古本屋写真集」が記憶に残っている。密かに撮りためていた全国各地の古本屋を巡ってファインダーに収めていた写真たち。岡崎武志さんが遺族に託されたそれらの写真を一冊にまとめたものだったが、その中に広島のアカデミイ書店の写真が掲載されていたのを発見した。広島で暮らしていた時によく通っていた古書店は今も健在だ。懐かしい。そんなことを思い出しながらこの本を手にし、古本屋が舞台の小説なんて、つくづくいいものだよなあと感じ入った次第である。