翻訳目録
¥2,200
SOLD OUT
著者:阿部大樹 , 絵:タダジュン / 出版社:雷鳥社 / B6判変形(172mm×120mm×14mm)仮フランス装 / 160P / ソフトカバー / 2020年 12月発行
2020年に日本翻訳大賞を受賞した、精神科医が“私的なノート"に書き溜める、国や地域、時代をまたぐ味わい深いことばたちを、ひろく紹介する、ちいさな目録。“名無しの翻訳"、“時代とともに消えた言葉"、“意味の移り変わり"など私たちの、“くちのききかた"からこぼれた60個の欠片を、版画家・タダジュンの挿絵とともにしずかに眺める。各章末には、著者の小エッセイを収録。
例)a three-days sensations/人の噂も七十五日
逐語訳すると「三日間の衝撃」であるけれども、これは(すこし時代がかった)英語の慣用句で、大きな事件もしばらくすればさっぱり忘れられてしまう、という意味。これを説明するのに、「75日」と持ってきた辞書は大胆だなぁと思う。
三日天下、三日麻疹、三日坊主などどれも、「早く過ぎること」のたとえ。三日にあげず会う恋人たちなら、ほとんど毎日会っている(たぶん)。三日見ぬ間の桜は、ちょっと目を離したすきに散ってしまった花。ひとの気が変わりやすいことについても使う。
*阿部大樹 (アベ・ダイジュ)
1990年、新潟県に生まれる。精神科医。松沢病院、川崎市立多摩病院に勤務。訳書にH.S.サリヴァン『精神病理学私記』(日本評論社、第6回日本対翻訳大賞)、R.ベネディクト『レイシズム』(講談社学術文庫)。「サンフランシスコ・オラクル」誌の日本版翻訳・発行を行う。
*タダジュン (タダジュン)
版画家・イラストレーター。版画の技法を使い、書籍や雑誌のイラストレーションを中心に活動中。作品集『Dear,THUMB BOOK PRESS』をSUNNY BOY BOOKSより刊行。