雨の日はソファで散歩
¥858
SOLD OUT
著者:種村季弘 / 出版社:筑摩書房(ちくま文庫) / A6文庫判 / 267P / ソフトカバー / 2010年 7月発行
「雨が降っている。外へ出るのが億劫だ。車もない。あっても運転できない。こんなときにはソファに寝転がって行きたい町に本の上でつきあわしてもらうのが分相応というものだ。では、どこへ行くか——」
古き良き東京の街を中心とした食文化に酒呑み論、豊富な知識に裏打ちされた優れた散文が紙面に軽やかに綴られていく。近所に住んでいたこともあるという江戸川乱歩をはじめとした三島、谷崎に澁澤龍彦ら名だたる文士のエピソードが披露される後半はたまらなく面白い。稀代のエンサイクロペディストが自ら選び編んだ最後のエッセイ集は実に鮮やかだ。印象的な装丁はクラフト・エヴィング商會によるもの。