本が語ること、語らせること
¥1,870
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著者:青木海青子, 装画:青木海青子 , 装幀:有山達也 / 発行:夕書房 / 四六変型版(170mm×120mm×13mm)/ 184P / ソフトカバー/ 2022年 5月発行/ *活版印刷の小さなしおり付き
私はルチャ・リブロを開けることを通じて、「閉じた世界に窓をつくろうとしている」のかもしれません。つくろうとしているのは、自分自身のためだけでなく、みんなで一緒に外を眺められる広くて大きな窓です。(本書より抜粋)
奈良県東吉野村に借りた古民家の自宅を「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」として開いて6年。夫・青木真兵とともに、山村にひっそりたたずむこの図書館を運営してきた司書・青木海青子による、初めてのエッセイ集。人と接するのが苦手で、本という「窓」を持つことで心に明かりを灯してきた著者が、自らの本棚を開放することで気づいた「図書館」の本質的な効用。夫婦で営む"彼岸の図書館"で悩みを打ち明ける人の話を聞き、本を提示する彼女は、まるで一流のカウンセラーのようだ。人と人との間に介在する"本"から新しい交流が生まれ、本の中から外の世界へと広がっていく。金銭が介在しないこの場所に唯在るのは純粋に本を読むということ。本を愛する人にそっと寄り添ってくれるような優しさに満ち溢れた一冊です。
*青木海青子(あおき・みあこ)
「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」司書。
1985年生まれ。大学図書館勤務を経て、夫・真兵とともに奈良県東吉野村にルチャ・リブロを開設。2016年より図書館を営むかたわら、「Aokimiako」の屋号で刺繍等によるアクセサリーや雑貨製作、イラスト制作も行っている。青木真兵との共著に『彼岸の図書館——ぼくたちの「移住」のかたち』(夕書房)、『山學ノオト』『山學ノオト2』(エイチアンドエスカンパニー)がある。