著者：瀧羽麻子, 装画：福田利之 , 装丁：須田杏菜 / 発行：ポプラ社 / 四六判（188mm×128mm×18mm）/ 255P / ソフトカバー/ 2022年 3月発行

天気を変えることはできない。
人間も、他の生きものも、あるがままを受け入れるしかない。


天気の研究に生涯をささげた藤巻博士。博士一家・四世代の歴史と、彼らとの出会いで変化していく人々の生きざまや家族の在り方を丁寧に描いた傑作連作短編小説。藤巻博 士の家に使用人とし てスミが勤め始める ところから物語は始 まります。立春に贈り物をするという藤巻家の習慣から、スミは空色の長靴を坊っちゃまにもらう。 家族や周囲の人たちとそのつながりを見ていると、一冊の本の中で天気のように様々な感情が浮かんできます。気まぐれな天候は物語の中で垣間見られる人生模様と重なって、どこかもどかしくも温もりが感じられる。そんな思うようにいかないことが多い世の中だからこそ手に取って読んでほしい一冊です。