デレク・ジャーマン:ダンジネスの陰影に楽園を|奥宮誠次
¥2,500
編者:加藤直徳 , デザイン:加納大輔 / 発行・印刷:NEUTRAL COLORS / A4判(297mm×210mm×4mm) / 122P / ソフトカバー・中綴じ製本 / 印刷:リソグラフ / 2025年 12月発行 ・初版200部 / テキスト:日本語・英語
映画監督、舞台美術家、画家として知られていたデレク・ジャーマン(1942–1994)。
晩年の顔は園芸家=庭師である。
彼は1986年にHIV陽性と診断されたことをきっかけに、イギリス東南部の海岸にある「イングランドの砂漠」とも呼ばれる町、ダンジェネスを自身の最果ての地として選んだ。
そこは通常の植物が育ちにくい荒涼とした土地で、近くには原子力発電所が建つ場所。
ジャーマンは、そこで"Prospect Cottage"呼ばれる小屋を作り、周囲に打ち捨てられ朽ちていくものを素材にしながら、囲いのない庭を作り続けた。
本書は晩年の彼と親交があった日本人の写真家・奥宮誠次さんが当時通い詰めて撮影した作品で構成されたポートレート写真集となっている。
死後の回顧展で、奥宮さんの写真は美術館の不手際によって消失してしまったそうだ。
奇跡的に残されたわずかな写真を1枚ずつリソグラフで蘇らせ、ささやかな言葉を添えてリリースされたのは喜ばしいこと。
迫り来る"死"を予感しながらも、達観したかのような優しさに満ちた彼の表情を見ていると、安らぎすら感じられる一冊です。



















