『スナップショットは日記か? 森山大道の写真と日本の日記文学の伝統』大竹昭子 随想録
¥1,100
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著者:大竹 昭子 , 編集協力:大林えり子(ポポタム), 装幀:横山雄+大橋悠治(BOOTLEG),
写真:森山大道 / 発行所:カタリココ文庫 / 文庫判 / 61P / ソフトカバー(ペーパーバック) / 2020年 8月発行
カタリココ文庫「散文シリーズ」第2弾。『新潮』2020年7月号に掲載された同名原稿を加筆修正し、早くも書籍化。森山大道さんとのコロナ禍で行われた最新のインタビュー(オフトーク)に加え、森山大道略年譜も追加収録。スナップショットをドナルド・キーン『百代の過客』から日本の日記文学の伝統と紐づけて語る意欲的かつ、自粛期間において「日記」が注目されたことを鑑みると、非常にタイムリーでもあるテーマ設定。文庫サイズながら、随所に挿入された森山大道作品も論考とともに力強く迫ってきます。
折しも、ハッセルブラッド国際写真賞という、世界の写真家にとってもっとも名誉ある、写真界のノーベル賞とも言われる写真賞を、昨年、40周年をむかえた節目の年に、森山大道が受賞。本書は、スウェーデンのヨーテボリで行われた授賞式の模様を皮切りに、森山大道の写真の核心を探っていくものです。森山の写真は、街路で目にしたものをスナップショットするという単純な方法で撮られていながら、世界が異界に満ち満ちていることを見る者に突きつけます。
本書の文章スタイルも、旅紀行やエッセイや評論の要素を併せ持ちながらも、そのどれにも属さない独自なもので、写真に関心のある人はもちろん、そうではない人にも自然に入り読み終えることができる一冊です。