『見えているパチリ!』出来事と写真、その後
¥1,100
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著者:畠山直哉+大竹昭子 , 編集協力:大野陽子
, 大林えり子(ポポタム), 装幀:横山雄+大橋悠治(BOOTLEG), 装画・写真:畠山直哉 / 発行所:カタリココ文庫 / 文庫判 / 85P / ソフトカバー(ペーパーバック) / 2022年 2月発行
文筆業を中心に活動を重ねる大竹昭子が主宰する「カタリココ文庫」シリーズの第8弾。
本作は2021年4月の『新潮』に掲載された畠山直哉氏の文章と、それを受けて10月に行われた対談が収録されたもの。写真家の畠山さんは陸前高田にあった実家が大津波で流され、お母さまを亡くして以来、故郷に通って撮影してきましたが、未だ終わりの見えないパンデミックが発生したことで帰郷がままならなくなります。人の心身が倫理観にとらわれ直感的に行動できなくなっていく中で、社会への懸念をわかりやすい事例を挙げながら思考し、提示していく姿に共感を覚えます。そして、鎌倉のとある場所で10月におこなわれた2人の対談では、「出来事」以降の時間を自分のなかに抱え込んで逡巡することの意義が確認できるのですが、どれも自分に置き換えることで、日常感じている日々の不安やモヤモヤが晴れていくことに繋がる気がするのです。長い冬が明ける前に、ぜひ読んでおきたい一冊。