月刊ドライブイン vol.06
¥500
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取材・撮影・文・発行人:橋本倫史 / A5判 / 40P / ソフトカバー(ペーパーバック) / 2017年9月発行
戦後のモータリゼーションから生まれた風景として日本に定着し、平成から令和へと時代が移りゆく中で徐々にその姿が消えつつあるドライブイン。全国各地に残るドライブインを訪ねながら、店主へのインタビューやお店の歴史、食事メニューなどを通して「昭和」の風景や記憶を伝える、著者渾身のルポルタージュ。毎号二編ずつ掲載(vol.12の最終号のみ一編)したシリーズ。
【目次】
「トラック野郎のオアシス 福島・二本松バイパスドライブイン」
「ドライブインのマドンナ 千葉・なぎさドライブイン」
【内容】
今回取り上げるのは、映画『トラック野郎』の世界です。
ドライブインを語る上で欠かせないのは、映画『トラック野郎』シリーズの存在です。この映画では、ドライブインはトラック野郎の安らぎの場所として描かれます。多くのトラック運転手で賑わい、運転手同士が賑やかに言葉を交わし、時には喧嘩になり、菅原文太演じる星桃次郎はドライブインの看板娘に恋をします。
福島県は二本松市にある「二本松バイパスドライブイン」は、大きな駐車場があり、お風呂まで併設されていて、今もトラック野郎に愛される店です。また、もう一軒、千葉県南房総市で「なぎさドライブイン」を営む川名洋子さんは、『トラック野郎』に出演されたこともあります。この二軒の歴史を辿りながら、トラック野郎でドライブインが賑わっていた時代の姿に迫ります。
また、今号にはもう一つテーマがあります。それは「女性」です。ここまで取材してきたなかで、ドライブインを営んでいる方の多くは女性です。「夫が『ドライブインを始める』と言い出して、それまで飲食の経験はないから不安に思いながらも店を始めて、夫に先立たれてしまって今はひとりで店をやっている」——そんなエピソードをあちこちのドライブインで耳にしました。こうして『月刊ドライブイン』を刊行することで、戦後のある時代の道路沿いの風景を記録しているつもりなのですが、それと同時に、昭和のある時代を生きてきた女性たちの記録でもあるのかもしれないと思うようになりました。
現在「二本松バイパスドライブイン」を営んでいる方も女性で、もう一方の「なぎさドライブイン」は、女性が創業した、比較的珍しいドライブインでもあります。