『新しい自我—「ふつう」を見いだす闘い』
¥1,100
SOLD OUT
著者:堀江敏幸+大竹昭子 , 編集協力:大野陽子
, 大林えり子(ポポタム), 装幀:横山雄+大橋悠治(BOOTLEG), 装画:駒井哲郎 / 発行所:カタリココ文庫 / 文庫判 / 88P / ソフトカバー(ペーパーバック) / 2022年 7月発行
文筆業を中心に活動を重ねる大竹昭子が主宰する「カタリココ文庫」シリーズの第9弾。
作家・堀江敏幸と大竹昭子の対談、及び堀江の未発表の随想が中心となって構成された本書。対談は2012年に名古屋でおこなわれたもので、堀江の生地である多治見に近かったこともあり、幼少期の記憶、持って生まれた自分の性格、地域ごとの言葉の差異など、東京では聞くことの出来ない話題が繰り広げられています(書籍化にあたり、今回文字を起こして加筆修正を実施)。
また堀江は東日本大震災の前後にあたる時期に3つの詩をつづけて書いています。発表したのはそれぞれ別の媒体ですが、連作として綴られたものであり、対談では創作にいたる経緯と思いが語られています。本書では3作すべてが読めます。
巻末に載せた堀江の随想は、ある企画のために書いたにもかかわらず、未掲載に終わった原稿です。なぜボツになったかは対談の山場ともいえる箇所であり、「『ふつう』」を見いだす闘い」という副題もそこにつながってきます。一見、「闘う」というイメージからほど遠く、また自身の来歴についても積極的に語ることのない堀江敏幸の核心部分に触れた、リトルプレスだからこそ実現できた、大竹昭子の自信作です。