そだつのをやめる|青柳菜摘

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著者:青柳菜摘 , ブックデザイン:柳川智之 , 企画編集:和田信太郎 , 協力:中島百合絵 / 発行:thoasa / A5判(195mm×148mm) / 118P / ソフトカバー(ドイツ装・無線綴じ) / 2022年11月30日発行 , 2023年3月15日第2刷発行

映像を用いたインスタレーションなどを手がけるアーティスト、青柳菜摘の第二詩集。37篇が所収された本作は第28回中原中也賞を受賞した。

雨は山になりつつあった
雷が息を殺す
アプリが三十分後にぼくは眠ると言った
だけどもうすこし粘ってささやく雷を聴く
声がセミからして
雨がやんだ跡が山になって 大航海をすませたセミが
精一杯鳴く声がする
「鳴くことは喋ることじゃない」
だから尺度を探してぼくを見てほしい
雷が鳴いた

〈目録〉
ユキちゃんユキちゃん
土のなか吐いて潜る
製紙工場の白い紙
体温のない吐息
ソテツはぼくの名前
メロンソーダの巣
夜の箱
製紙工場の白い紙
放射線ドッヂボール
夕暮れの黒い土手
風呂モニュメンタル
メロンソーダの巣
夜の箱
鍵あなのドジョウ
セミ
はしごの先
待ちあわせ
飲んでいるふり
グラウンド・タイム・スケープ
夕日を見ない
手のなかのチョウ
三本のチョコバナナ
外側の動物園
夜の箱
中学二年生
死んでない
ジェットエンジン
さがしもの
遠くから見る現在地のピン
授業予知
土のなかのチョウ
小さな虫大きな虫
空気のかたち
雨がみえなくなる未来
ただ光るだけのLED光が照らさない
鍵、手のひらのチョウ

*青柳菜摘(あおやぎ・なつみ)
1990年東京都生まれ。ある虫や身近な人、植物、景観に至るまであらゆるものの成長過程を観察する上で、記録メディアや固有の媒体に捉われずにいかに表現することが可能か。リサーチやフィールドワークを重ねながら、作者である自身の見ているものがそのまま表れているように経験させる手段と、観客がその不可能性に気づくことを主題として取り組んでいる。
2016年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。近年の活動に「亡船記」(十和田市現代美術館, 2022)、「家で待つ君のための暦物語」(東京藝術大学大学美術館, 2021)、オンラインプロジェクト「往復朗読」(2020-継続中)、第10回 恵比寿映像祭(東京都写真美術館, 2018)など。また書籍に『孵化日記2011年5月』(thoasa publishing, 2016)、小説『フジミ楼蜂』(ことばと vol.3 所収, 2021)、詩集『家で待つ君のための暦物語』(2021)がある。コ本や honkbooks主宰。「だつお」というアーティスト名でも活動。
http://datsuo.com

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